仔豚たちに原っぱで好きなようにれんげを食べさせて
僕はその間片手にオカリナ片手に読みかけの黄色い本を持って
楡の木の木陰で涼んでいる。
おやつの時間三時のチャイムが鳴るのを待って
(この地域では九時と十二時と三時に時報がなる。)
オカリナで仔豚たちを呼ぶ。
ぶひぶひと仔豚は僕のそばに集まりだすので、
さっとすり抜けながら厩舎に戻る。
このタイミングが肝心なのだ。
うっかりすると仔豚の海にのみこまれてしまう。
ぶうぶうオカリナを吹きながら
ぶうぶう仔豚をひきつれて
さながらブレーメンの音楽隊みたいに。
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