ある光
「めええうめええ」 しろやぎさんがおつかいにきました。 手紙はありません。言葉はしろやぎが飲み込んでしまうのです。 「はろーやぎさん」 りっぱなおひげを指で梳いてあげます。しろやぎさんは気持ちよさそうに首をまわします。 ちりんちりん。 しろやぎさんの首の鈴がひかりました。太陽でも月のあかりでもない透明なひかりです。 銀のおひげをうつしてほのかに輝やきながら、僕だけを照らすひかり。穏やかでちょっと切ない。 「ちりんきらりん」 「ありがとう」