すべてが、なんて退屈だろう。しかし、なぜ、こんなになつかしいのだろう。 |
date. 2007.12 |
アロファルムを飲んだ朝は大抵夢を見る。夢は目覚めた瞬間から忘れていくというから、起き上がっても覚えている夢は幻影か幻想かもしれない。もはや現実なのかもしれないけれど、あまりに現実離れしているので、いつも忘れる瞬間を逃してしまう。いつ目覚めたか覚えていない夢をみることだってあるのだから。
剥き出しの、という課題を目の前にしている。
砂丘が広がっている。貝殻がぽつりと落ちているところをみると砂浜かもしれないが、海は遠いのか波音ひとつ聞こえない。
白い服を着て、裸足で、そのオブジェの前に立っている。いくつもの房をくっつけた心臓の形の巣。欠けていたりつぶれていたり腐りかけている房もある巣、というひとつの塊り。
・・・誰かいるようだ。僕はオブジェの説明をしている。ひとつ房が崩れると、ああ風通しがよくなった、と言う。ふたつ房がなくなると、スペースができた、といって笑う。房から芽がでてくると、こうなるわけなんですよ、といっている。
無数の房からでた水分(もしくは体液)のようなものが影をつくっている。影は足元まで膨張しくるぶしまで影に埋もれている。巣の影。それが僕自身を恍惚とさせているのだった。
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